一般社団法人 遠隔画像診断サービス連合会

ごあいさつ

Kano-rijicho

一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会 理事長
加納 裕士

 一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会に格別のご理解とご協力を頂き、厚く御礼申し上げます。去る2024年6月22日開催の理事会において選任され、理事長に就任いたしました。初代理事長の石垣武男先生、前理事長の煎本正博先生に改めて感謝と尊敬の念を表するとともに、お二人がこれまで築き上げられた本会の基盤をもとに、新たな時代を作り上げていく所存でございます。

 遠隔画像診断を生業とする企業、団体、個人が連携し、遠隔画像診断が健全に発展することを目的に、2013年4月1日に本会は結成されました。この間に本会ではこれまで様々な取り組みが行われて来ています。

 一つは年2回開催されるセミナーの定期開催です。コロナ禍の渦中においてもWeb開催の導入などで継続し、現在では会場でもWebでも参加可能なハイブリッドでの開催を行っております。2024年6月22日開催のセミナーでは23回を数えることとなりました。テーマも医療の観点、運営の観点、システムの観点、法的な観点など時勢にあった多岐に渡る内容で行われており、業界のボトムアップに貢献できている内容と自負しております。
 また、業務遂行における様々なリスクに対する備えとして、本会会員向けの「遠隔画像診断専門賠償責任保険」の提供も行われており、加入者数も順調に推移しております。保険加入という観点から本会への参加を検討されるという方々も増えていると聞いておりますが、我々としても遠隔画像診断において社会的責任を果たすことができる体制を伴った本会会員が増えることを願っております。

 さて、遠隔画像診断業界においてはいくつかの課題があります。
 まずは、診療報酬における課題です。画像診断専門医が在籍する医療機関においては、画像診断管理加算という報酬項目がありますが、この項目の請求においては「当該保険医療機関以外の施設に読影又は診断を委託していないこと」と施設基準が設けられています。すなわち、他施設(医療機関、非医療機関のいずれであっても)から読影支援を受けている場合は、例外措置を除き、基本的には画像診断管理加算が請求できないということになっています。しかし、これは社会的に大きな弊害を引き起こしており、適切な読影体制を整えないことが診療報酬上で有利になるという矛盾が生まれています。この施設基準が設けられた理由として、本会の一部会員による行きすぎた活動行為が影響したという事実を鑑みるに、この課題の解決に尽力することは我々の責務の一つだと考えております。
 また、最近ではセキュリティリスク上の脅威がかつてないレベルで増大していることも大きな課題です。医療機関においてもランサムウェア等による複数の重大事例が報告されており、業務上での甚大な実害も生じています。かつてはセキュリティ対策として一定のハード、ソフトを設置、導入することでそれなりに安全な環境を構築することができましたが、現在では決してこれら機器やシステムの導入だけでは十分でない状況にあります。現状では被害を受けることを前提とした上でのセキュリティ対策も必須になっていると考えます。本会としても適切な教育、情報共有の場としての機能が一層求められていくと考えております。

 しかしながら、これら課題の解決には我々だけの議論や活動では限界があり、各関連学会、医療団体、行政、法曹界などとの問題共有と議論が必要です。私たちとしても、これまで以上に外部機関等との連携を厚くし、社会的な問題含め、各種課題を解決したいと考えております。引き続き、ご支援、ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

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